福利厚生

福利厚生とは?企業と従業員の成長を支える制度を徹底解説

公開日:2025.05.01 | 更新日:2025.05.01
福利厚生とは?企業と従業員の成長を支える制度を徹底解説

福利厚生とは、企業が従業員の生活を安定させ、働きやすい環境を整えるために提供する制度やサービスのことです。法律で定められた制度から企業独自のユニークな取り組みまで幅広く存在し、魅力的な福利厚生は採用力強化や従業員満足度向上に大きく貢献します。本記事では福利厚生の基本から導入メリットなどを分かりやすく解説します。

福利厚生とは?制度の基本を分かりやすく解説

福利厚生とは、給与や賞与以外の報酬のことで、企業が従業員とその家族の生活を支援し、働きやすい環境を整えるために提供する様々な制度やサービスを指します。福利厚生制度は、従業員の生活の質を向上させるだけでなく、企業の採用力強化や人材定着にも大きく影響する重要な役割を担っています。

福利厚生の対象となる従業員の範囲

福利厚生の対象となる従業員の範囲は正社員だけでなく、契約社員やパートタイム労働者も含まれます。

法律では契約社員やパートタイム労働者が正社員と同様の働き方をする、同一労働同一賃金の観点で、「正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、不合理な待遇差を設けることを禁止」しており、福利厚生の適用範囲を検討する際はこうした法的要件も考慮する必要があります。

福利厚生費とは企業が負担する福利厚生の費用

福利厚生費とは、企業が従業員のために支出する福利厚生制度に関わる費用の総称です。要件を満たせば経費として計上できるため、適切に運用することで税制上のメリットを得られる場合があります。

福利厚生費の主な項目とその特徴は以下の通りです。

費用項目 具体例 特徴
法定福利費 社会保険料の事業主負担分 法律で義務付けられた支出
法定外福利費 住宅手当、食事補助、慶弔見舞金など 企業が任意で実施する制度の費用
現物給与 社宅の提供、社員食堂運営など 現金以外の形で提供される福利厚生
教育研修費 社員研修、資格取得支援など 人材育成に関わる支出

厚生労働省の調査によると、平均的な福利厚生費は、従業員一人当たり月額約5万円程度とされています。
参照:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査の概況

近年は効率的な福利厚生制度の運用が求められており、従業員一人あたりのコストを抑えながらも効果の高い福利厚生を提供するための工夫が重要となっています。

法定福利厚生と法定外福利厚生の違い

福利厚生は大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2つに分類されます。前者は法律で定められた義務的な制度であり、後者は企業が独自に提供する任意の制度です。この違いを理解することで、企業が実施すべき基本的な福利厚生と差別化のために導入できる独自の福利厚生を明確に区別できるようになります。

法定福利厚生の種類と概要

法定福利厚生とは、労働関連法規によって企業に実施が義務付けられている福利厚生制度のことを指します。すべての企業が必ず導入しなければならない基本的な社会保障制度です。

主な法定福利厚生の種類と概要は以下の通りです。

制度名 概要
健康保険 従業員とその家族の医療費負担を軽減する保険制度
厚生年金保険 従業員の老後に備えるための公的年金制度
雇用保険 失業時の生活や職業訓練を支援する制度
労災保険 業務上の事故や疾病に対する補償制度
介護保険 40歳以上の被保険者が加入する、介護を支えるための保険制度
子ども・子育て拠出金 子育て支援サービスのための事業主拠出金

法定福利厚生は企業規模や業種を問わず、すべての企業に適用されるため、起業時や新規雇用時には必ず対応する必要があります。

法定外福利厚生の種類と概要

法定外福利厚生とは、法律での義務付けはなく、企業が独自に従業員に提供する福利厚生制度のことです。企業の方針や従業員のニーズに合わせて自由に設計できるため、企業文化や価値観を反映した独自性のある制度を構築することが可能です。

代表的な法定外福利厚生の種類と具体例を以下に示します。

分類 具体例
住居関連 社宅・寮の提供、住宅手当、引越し費用補助
食事関連 社員食堂、食事補助、ランチチケット
健康・医療関連 人間ドック費用補助、メンタルヘルスケア、スポーツジム利用補助
育児・介護関連 企業内保育所、育児短時間勤務、介護休暇の拡充
慶弔・災害見舞金 結婚・出産祝い金、弔慰金、災害時の支援金
余暇・レジャー 保養所、旅行補助、クラブ活動支援
財形・資産形成 財形貯蓄、従業員持株会、確定拠出年金
教育・自己啓発 資格取得支援、語学学習補助、通信教育支援
通勤関連 通勤手当、社有車・駐車場の提供、シャトルバス運行
その他 カフェテリアプラン、永年勤続表彰、会員制サービス優待

福利厚生の支給方法を検討する

福利厚生には様々な種類がありますが、支給方法もサービスや利用機会の提供、現金、立て替え、カフェテリアプラン、デジタルギフトなど様々です。最近では管理や送付の工数を削減することを目的にカフェテリアプランやデジタルギフトを採用する企業も増えています。
受け取った社員の使いやすさや福利厚生の目的に沿った支給方法であるかを考慮し、規模感や内容によって使い分けるのが良いでしょう。ただし、目的や金額等によっては福利厚生費として計上できず、給与扱いとなる場合があるため、支給方法を検討する際はその点にも注意しましょう。

福利厚生を導入するメリットとは?

福利厚生の充実は企業にとって様々なメリットをもたらします。単に従業員の満足度を高めるだけでなく、企業の持続的成長や競争力強化にも寄与するため、戦略的に取り組むことが重要です。ここでは主要な3つのメリットに焦点を当てて詳しく説明します。

従業員の満足度・定着率が高まり、生産性が向上する

福利厚生の充実は、従業員の仕事に対する満足度を高め、定着率の向上や生産性の改善につながります。

  • 働きやすい環境の整備
    フレックスタイム制度やテレワーク支援など、柔軟な働き方を支援する福利厚生は、従業員のワークライフバランスを向上させ、働きやすさを実感させます。
  • 健康管理の支援
    健康診断の充実やメンタルヘルスケアの提供は、従業員の健康維持に貢献し、病気や精神的ストレスによる離職を防ぎます。
  • キャリア開発の促進
    資格取得支援や研修プログラムなどの教育関連の福利厚生は、従業員のスキルアップとキャリア形成を支援し、モチベーション向上につながります。

採用力や企業ブランドを強化できる

充実した福利厚生は、優秀な人材を惹きつける強力な武器となります。特に人材獲得競争が激化している現在、福利厚生の質や独自性は重要な差別化要因となっています。
福利厚生が企業選びの重要な判断材料となるほか、独自性のある福利厚生は企業ブランディングの観点からも効果的で、社員の声とともにSNSなどで拡散されることで、企業イメージの向上につながります。

節税効果が期待できるため企業の財務にも貢献する

適切に設計された福利厚生制度は、税制上のメリットを享受できるため、企業の財務面にもプラスの影響をもたらします。

福利厚生費は要件を満たすことで、法人税の計算上、損金に算入できます。そのため、企業の税負担を軽減する効果があります。一方で、一部の福利厚生は「給与の一部」とみなされ、所得税や社会保険料の負担が生じる場合もあるため、制度設計の際には税理士などの専門家に相談することが望ましいでしょう。

福利厚生を導入する際の注意点とは?

福利厚生制度を効果的に導入・運用するためには、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。ここでは、成功するための3つの重要な注意点について詳しく解説します。

福利厚生制度の目的や方向性を明確化する

福利厚生制度を導入する際には、まず「なぜこの制度を導入するのか」という目的を明確にすることがとても重要です。目的が曖昧なまま導入すると、効果測定が難しくなるだけでなく、従業員にとっても「なぜこの制度があるのか」が分からず、十分に活用されない可能性があります。

目的が明確になったら、それに基づいて制度の具体的な内容や予算、対象範囲などを決定していきます。また、目的に応じて適切な評価指標(KPI)を設定し、定期的に効果を測定することも重要です。例えば、「採用力強化」が目的なら応募数や内定承諾率、「従業員満足度向上」が目的ならエンゲージメントスコアや離職率などが指標となります。

従業員の意見をヒアリングして制度内容を最適化する

福利厚生制度を効果的に機能させるためには、実際に利用する従業員の声を取り入れることが不可欠です。特に以下のようなヒアリング方法を活用することで、より実態に即した制度設計が可能になります。

  • アンケート調査
    全従業員を対象に、現在の福利厚生に対する満足度や新たに希望する制度などを調査します。選択式と記述式を組み合わせることで、定量的・定性的な情報を収集できます。
  • フォーカスグループインタビュー
    異なる部署や年齢層から選出した少人数のグループに対して、詳細な意見交換を行います。深掘りした情報を得られる反面、一部の意見が過大に反映されるリスクもあります。
  • 1on1ミーティング
    管理職が定期的な1on1の中で福利厚生に関する意見を収集します。日常的なコミュニケーションの中で本音を引き出しやすい利点があります。
  • 従業員満足度調査
    定期的な従業員満足度調査の中に、福利厚生に関する設問を含めることで、他の要素との相関関係も分析できます。

福利厚生制度の定期的な見直しと柔軟な運用を行う

福利厚生制度は一度導入したら終わりではなく、社会環境の変化や従業員のニーズの変化に合わせて、定期的に見直し・改善していくことが重要です。効果的な見直しと柔軟な運用のポイントは以下の通りです。

  • 定期的な効果測定
    利用率や満足度調査、コストパフォーマンスなどの指標を定期的に測定し、制度の効果を評価します。数値化できる指標を設定することで、客観的な評価が可能になります。
  • 社会環境の変化への対応
    働き方の多様化やテクノロジーの進化、法改正など、社会環境の変化に応じて制度を見直します。例えば、リモートワークの普及に伴い、通勤手当から在宅勤務支援へシフトするなどの対応が考えられます。
  • ライフステージの変化への配慮
    従業員の年齢構成や家族構成の変化に合わせて、制度の重点を調整します。若手社員が多い時期は自己啓発支援に、子育て世代が増えれば育児支援に重点を置くなど、柔軟な対応が求められます。
  • 制度の簡素化と透明性
    複雑すぎる制度や申請手続きは利用率低下の原因となります。分かりやすく利用しやすい制度設計と、透明性のある運用を心がけましょう。

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