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採用活動の交通費支給は義務?担当者が知るべき相場や精算方法を解説!

公開日:2025.08.12 | 更新日:2025.08.12
採用活動の交通費支給は義務?担当者が知るべき相場や精算方法を解説!

企業の採用活動における応募者への交通費支給について、「遠方からの優秀な人材確保」や「企業イメージ向上」の観点から必要性を感じつつも、「どこまで負担すべきか」と判断に迷うことが多いでしょう。

本記事では、採用における交通費の基本的な考え方から、支給するメリット・デメリット、具体的な支給基準の決め方、精算方法、そして注意点までを網羅的に解説します。この記事を読めば、自社に合った交通費支給のルールを整備し、円滑な採用活動を進めることができるようになります。

採用活動における交通費の支給は義務?

最初に、採用活動における交通費支給の法的な位置づけと、一般的な支給状況について確認しておきましょう。

交通費の支給は法律上の義務ではない

結論から言うと、企業が応募者に対して面接の交通費を支給する法律上の義務はありません。 あくまで企業の任意であり、支給しなくても法的に罰せられることはありません。そのため、支給の有無や範囲、金額などの条件は、各企業がそれぞれの判断で自由に設定することができます。「二次面接以降に支給する」「最終面接のみ一律で支給する」など、その運用は企業によって様々です。

交通費の支給パターンとメリット・デメリット

法律上の義務はないものの、実際には多くの企業が何らかの形で交通費を支給しています。交通費の支給の仕方にはいくつかのパターンがあり、それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。

支給パターン メリット デメリット
全額支給 応募者に最も喜ばれ、企業イメージが向上する コストが最も高くなる
一部支給 コストを抑えつつ、応募者の負担を軽減できる 上限額の設定や計算が煩雑になる場合がある
一律支給 計算の手間が省け、公平性を保ちやすい 居住地によって不公平感が出る可能性がある
支給なし コストが一切かからない 遠方の優秀な人材を逃すリスクがある

採用で交通費を支給する3つのメリット

交通費の支給は単なるコストではなく、企業の成長につながる投資と捉えることができます。ここでは、交通費を支給することで得られる主な3つのメリットを解説します。

優秀な人材の確保

最大のメリットは、応募者の増加により、優秀な人材と出会う機会が増えることです。特に地方や海外に住む優秀な人材にとって、都市部での就職活動にかかる交通費は大きな負担です。調査※1では、就職活動におけるWeb面接のメリットとして「交通費の節約」がトップに挙げられており、求職者にとって交通費の負担が大きな課題であることがわかります。企業が交通費を負担することで、経済的な理由で応募をためらっていた層にもアプローチでき、母集団の質を高めることができます。

※1参考:WEB面接のメリット・デメリットに関する意識調査株式会社ビズヒッツ

企業のイメージアップと魅力度の向上

「応募者の負担を軽減しよう」という配慮は、「社員を大切にする企業」というポジティブなイメージに繋がります。 交通費の支給は、応募者に対する誠意の表れとなるため、「配慮が行き届いている」といった印象を与え、最終的な入社意思決定において有利に働くでしょう。 結果として、単なる採用コストではなく、企業のブランディングや優秀な人材を惹きつけるための投資として機能し、長期的な視点での企業価値向上に貢献します。

選考辞退の防止

選考が進むにつれて交通費を支給することは、経済的な理由による選考辞退や機会損失を防ぐ効果があります。 特に最終面接など、内定間近の段階での交通費支給は、「この会社は自分を必要としてくれている」という特別感を与え、志望度や入社意欲を高めることが期待できます。

採用で交通費を支給する2つのデメリット

メリットがある一方で、交通費の支給にはデメリットも存在します。導入を検討する際には、これらの点も十分に理解しておく必要があります。

採用コストの増加

当然ながら、交通費を支給すればその分の費用が発生し、採用コスト全体を押し上げます。応募者が多ければ多いほど、また遠方からの応募者が増えるほど、その負担は大きくなります。予算が限られている企業にとっては、慎重な判断が求められるでしょう。

経理・人事担当者の業務負担の増加

交通費を支給する場合は、下記のような事務作業が発生し、担当者の業務を増やす一因となる可能性があります。

▼事務作業(一例)
・応募者への事前案内
・応募者ごとに経路と金額の確認
・領収書の提出依頼と管理
・現金を用意し、封筒へ封入作業(または銀行口座情報の収集と振込処理)

上記のような多くの事務作業が発生し、特に現金の取り扱いにあたっては細心の注意が必要です。 更に応募者ごとに金額やルートが異なる場合、その確認作業はより煩雑なものとなります。

採用交通費の支給基準はどう決める?範囲と相場の解説

交通費を支給すると決めたら、次に「誰に、どこまで、いくら支給するのか」という具体的な基準を設ける必要があります。ここでは、公平性を保ち、トラブルを防ぐための基準設定のポイントを解説します。

支給対象者の決め方

まず、どの選考段階から、どのような応募者を対象とするかを決めます。「二次面接に進んだ応募者全員」「最終面接に進んだ遠方からの応募者のみ」のように、対象者を明確にしましょう。新卒採用、中途採用、アルバイト採用など、雇用形態によって基準を変えることも考えられます。

交通手段の範囲を決める

次に、支給対象とする交通手段を定めます。一般的には、電車やバスなどの公共交通機関が対象となります。 新幹線や飛行機の利用を認めるかどうかは、企業の所在地や応募者の居住地を考慮して判断します。その際、「最も合理的なルート」を基準とし、不必要な遠回りや高額なルートは対象外とするルールを設けておくと良いでしょう。

支給額の上限を設定する

無制限に支給するのではなく、「往復5,000円まで」のように上限額を設定するのも有効な方法です。これにより、採用コストの予測が立てやすくなります。また、「会社規定により一律2,000円を支給」といった形で、居住地に関わらず定額を支給する方法もあります。

 

採用交通費の主な精算方法

支給基準が決まったら、次は具体的な精算方法を定めます。前提として不正な申請を防ぎ、経費として正確に処理するためにも、領収書の提出を原則とすることが推奨されます。 特に新幹線や飛行機などを利用した場合は、必ず提出を求めましょう。電車やバスなど領収書が出にくい交通機関については、利用区間と金額を自己申告してもらう形式で対応することも可能です。その場合も、事前にルートを検索するなどして妥当な金額であるかを確認する作業が必要になります。スムーズな運用のため、事前に流れを確立した上で、精算方法を検討しましょう。

実費を後日精算する方法

応募者が立て替えた交通費を、後日銀行振込などで精算する方法です。キャッシュレス化が進む近年では、オンラインでの送金サービスを利用する企業も増えています。 この方法は、企業側が支払う前にルートや金額を正確に確認できるメリットがありますが、応募者にとっては一時的な金銭負担と振込を待つ時間が発生します。

面接当日に現金で渡す方法

面接終了時に、その場で現金を渡す方法です。 応募者にとってはすぐに交通費を受け取れるメリットがあります。企業側は、面接中に領収書の確認や精算準備を済ませておく必要があります。支払い後は、誰にいくら支払ったかを明確にするため、応募者に受領サインをもらうようにしましょう。

デジタルギフトを活用する方法

近年、新たな選択肢として注目されているのが、メールやSMSなどで手軽に送ることができるデジタルギフトを活用する方法です。電子マネーやポイントなど、多様な選択肢の中から応募者自身が好きなものを選べるタイプは、満足度が高く人気を集めております。また、企業側は、現金の管理や口座情報の取り扱いなどのリスクが無くなり、業務の効率化に繋がります。サービスにより、初期費用や月額費用などの手数料が発生する場合があるため、事前に確認をした上で利用をしましょう。

デジタルギフト(eギフト)とは? オンライン上でギフトコードを贈り、受け取った方が商品に引き換えたり 金券として利用することができるサービスです。詳しくはこちら

採用交通費を支給する際の3つの注意点

最後に、交通費を支給する上で特に注意すべき点を3つ紹介します。これらのポイントを押さえることで、応募者との不要なトラブルを防ぎ、採用活動を円滑に進めることができます。

支給ルールを事前に明確化し応募者に周知する

最も重要なのは、定めたルールを事前に応募者へはっきりと伝えておくことです。 募集要項や面接の案内メールに、「支給対象者」「対象となる交通手段」「上限額」「精算方法」「領収書の要不要」などを明記しましょう。情報を事前に共有しておくことで、「支給されると思っていたのにされなかった」といった認識の齟齬を防ぐことができます。

交通費は原則として非課税扱いになる点を理解する

応募者に支払う交通費は、所得税法上、原則として非課税となります。これは、通勤手当と同様に、業務(この場合は採用面接)のために必要な費用と見なされるためです。ただし、明らかに高額すぎる場合や、交通費以外の名目が含まれている場合は課税対象となる可能性もあるため、経理上の処理については税理士などの専門家に確認することをお勧めします。

遠方の応募者への配慮を忘れない

遠方からの応募者に対しては、交通費だけでなく宿泊費の負担も検討すると、より効果的です。 宿泊が必要な場合、全額または一部を企業が負担したり、提携ホテルを案内したりすることで、応募者の負担を大きく軽減できます。このような手厚いサポートは、企業の魅力を高め、入社の決め手になることも少なくありません。

採用における交通費の支給は選べるe-GIFTがおすすめ!

採用における交通費の支給は、優秀な人材を確保するための重要な施策ですが、その精算方法は多くの企業にとって悩みの種です。「現金での手渡しは準備と管理が大変」「銀行振込は手数料がかかり、応募者の口座情報を聞く手間と管理リスクがある」といった課題は、人事担当者の業務負担を増やす一因となっています。

こうした従来の交通費支給が抱える課題を解決し、企業と応募者の双方にとってメリットをもたらすのが「選べるe-GIFT」のようなデジタルギフトの活用です。

「選べるe-GIFT」は、メールやSMSなどで手軽に送付でき、受け取った本人が電子マネーやポイントなど豊富なラインナップから好きなものを選べるデジタルギフトサービスです。これを採用交通費の支給に活用することで、以下のような効果が期待できます。

企業側(採用担当者)のメリット

  • 業務の大幅な効率化

現金の準備や管理、銀行振込といった煩雑な作業が一切不要になります。面接後のお礼メールなどにギフトのURLを記載して送るだけで完了するため、担当者の業務負担を劇的に軽減できます。

  • コストとリスクの削減

銀行の振込手数料が不要になることに加え、応募者毎に合わせて1円単位で額面を設定し支給することも可能です。初期費用や月額費用もかからないため、最適なコストで利用することができます。また、応募者の口座情報といった機密性の高い個人情報を預かる必要がなくなり、情報管理のリスクを低減できます。

  • 先進的な企業イメージの醸成

スマートで迅速な対応は、応募者に「ITリテラシーが高い」「応募者への配慮が行き届いている」といった先進的でポジティブな印象を与え、企業のブランディングに貢献します。

【導入事例】交通費の支払い手段として選べるe-GIFTを利用。現金からの切り替えにより、約30時間の工数削減を実現! 株式会社阪急阪神ビジネスアソシエイト

応募者側のメリット

  • 迅速かつ手軽な受け取り

面接後すぐにメールなどで受け取れるため、精算を待つストレスがありません。銀行口座を教える手間や心理的な抵抗感もなく、スムーズに交通費を受け取れます。

  • 「選べる」満足感

普段から利用している電子マネーやポイントなど、自分のライフスタイルに合わせて好きなものを選べるため、現金支給以上の満足感を得られます。

  • 入社意欲の向上

スムーズで心地よい応募者体験は、企業への信頼感や志望度を高める効果が期待できます。

 

採用活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められる現代において、交通費の支給もまた、よりスマートで効率的な方法へと進化させるべき領域です。煩雑な精算業務から解放され、応募者にとってもメリットが多い「選べるe-GIFT」を、これからの時代の採用活動における強力なツールとして導入しませんか。